レンタカーの主な収益源はレンタル料金です。特に重要なのがこのレンタル料金による収入であり、事業運営においては車の維持費や経費を考慮した上で、適正なレンタル価格を設定することが重要となります。

副収益（保険代車）：
レンタカーには、レンタル料金以外の副収益も発生します。その副収益は、保険代車費用と車両の売却益です。レンタカーは、事故や故障時の保険代車として利用されることも多く、その際に発生するのが保険代車費用です。

副収益（車両の売却）：
売却益は、使用済みのレンタカー車両を中古車として売却することで得られる利益です。そのため車両を仕入れる段階で、市場の需要にマッチする人気車種を見極めることが重要となります。特に人気の高い車を仕入れることで、レンタカーユーザーから高い評価を得るだけでなく、レンタカー利用のリピート顧客獲得とスムーズな車両売却を同時に期待できます。

このように、レンタカービジネスにおける主な収益源はレンタル料金ですが、それ以外にも複数の収益源があることが特徴です。​

カーシェアリングの 主な収益源は2種類です。ひとつは利用料金による収入、もうひひとつは月会費や登録料による収入です。

利用料金による収入

利用時間や利用距離に応じて料金が発生します。短時間利用が中心となるため、時間単位や距離単位での課金が基本です。利用時間が短いほど、多くの利用者が日々利用するため、回転率を高め収益性が高まります。

月会費・登録料による収入

利用者はサービスを利用するために月会費や初期登録料を支払うことが一般的です。この固定収入が事業の安定を支える重要な要素となります。月会費は一定の収入を保証し、利用頻度に関わらず収益を確保する手段となります。

返却方法

車両を利用後、予約時間内に同じステーションへ返却します。返却時には燃料の補充は不要で、簡単なチェックを行うだけで済みます。燃料費はサービス提供者が負担するため、利用者は給油の手間が省けます。

レンタカーとカーシェアリング、どちらも車を“利用する”手段として存在しますが、そのサービス内容には大きな違いが見受けられます。この2つのビジネスモデルは誤って認識されているケースも多いため、違いを詳しく解説いたします。

会員登録の必要性の有無

カーシェアリングでは、利用の前に事前の会員登録が必須となります。一方で、レンタカーの場合は会員登録なしでも利用が可能で、初回利用時のハードルが低いと言えるでしょう。気に入ったお店が見つかると、会員登録を行うのが一般的です。

レンタカーでは近年、予約チャネルの多様化（インターネットや専用アプリなど）で予約がより簡単になり、店頭業務も簡略化されるなどビジネスモデルそのものが進化している傾向にあります。

またカーシェアリングは一度登録すればインターネットから車の予約が可能で、対面手続きが不要という利便性があります。

レンタル期間の違い

傾向として、レンタカーの場合、1日から数日間が一般的な利用期間です。対照的に、カーシェアリングは数十分から数時間の短時間利用が可能です。ただし、カーシェアリングの場合、前の利用者の返却が予定時刻より遅れた場合、希望の時間に利用できない可能性がある点に留意が必要です。

料金プラン体系

どちらも利用時間に応じて料金が発生しますが、その料金体系には差異があります。詳しい料金形態について解説します。

レンタカーの料金体系は、一般的には利用期間や車両の種類に基づいて料金が設定されます。通常は時間単位や日単位での料金設定があります。

カーシェアリングの料金体系は、車両の種類などに応じて利用時間単位や距離単位での料金が設定されます。一般に、登録料や月会費が必要な場合もあります。

給油の必要性

レンタカーでは、 レンタル期間中の利用に対して利用者が給油費用を負担するケースが一般的です。車両を借りる際に満タンで提供され、返却時にも満タンで返す必要があります。いわゆる、満タン返しです。

一方でカーシェアリングは、返却時に満タンにしなくても良いのが一般的で、燃料費用はサービス提供者が負担します。給油の必要がないことがカーシェアリングの特徴です。

車内清掃の有無

レンタカーは利用終了後1回ごとに車内清掃が実施されるため、基本的には清潔な状態が維持されます。一方、カーシェアリングでは10日～2週間に1度清掃が行われるのが一般的です。

レンタカーとカーシェアリングの違い

レンタカーとカーシェアリングは似ているように見えますが、実はビジネスモデルやユーザーの利用シーンが大きく異なります。レンタカーは、車両のレンタル料金が収入の柱としてあり、他にも保険台車や車両売却による収入があります。会員登録が必須ではなく、長期利用にも向いています。一方、カーシェアリングは事前登録が必須で、短時間利用が可能です。料金体系や給油、返却方法も違い、清掃頻度も異なります。ユーザーは自分の目的に合っている方を選択し、利用します。

ビジネスでの開業を考えている場合は、地元商圏にどちらのニーズがあるか、始めやすいかの視点で考えてみるといいでしょう。