COLUMN
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レンタカー事業を始めるためには、「自家用自動車有償貸渡業の許可」を取得する必要があります。日本において、レンタカー事業を営むためには、道路運送法によって規定される一定の手続きが必要です。この法律によれば、国土交通大臣の許可を得ることなしにレンタカー事業を行うことはできません(道路運送法80条1項)。具体的には、レンタカー事業を開業する際には、まず国土交通大臣に対し、「自家用自動車有償貸渡業」の許可を申請しなければなりません。国土交通大臣の許可を取得した後、レンタカー事業に使用する車両を登録し、ナンバープレートを交付してもらうことができます。
この許可は、事業者が法律で定められた規定に沿って事業を運営することを保証し、利用者の安全と利便性を確保するための重要な手続きです。国土交通大臣の許可を得ることで、レンタカー事業者は法令遵守の義務を果たし、利用者に安心してサービスを提供することができます。
「自家用自動車有償貸渡許可申請書」を作成し、レンタカー業を営業したい地域を管轄する運輸支局の窓口に提出します。
申請書の提出後、おおむね1カ月ほどの処理期間がかかります。ただし、書類に不備がある場合や申請が多い時期はそれ以上の時間がかかることがあります。
審査が完了し、許可が降りると運輸支局から連絡があり、窓口で許可証が交付されます。同時に登録免許税の納付書も渡されるので、これを持って金融機関で9万円を納め、その領収証を再び運輸支局の窓口で提出すれば許可取得の手続きは完了です。
次に、レンタカー車両の登録を行います。手順は以下の通りです。
レンタカーを営業する住所を管轄する陸運局(検査登録事務所)に「事業用自動車等連絡書」を提出します。この書類は、事業者の許可が取得された際に運輸支局で交付されます。
車両登録の際には、事業用自動車等連絡書のほかに車検証のコピーが必要です。
登録が完了すると、「わ」ナンバーを取得し、業務を開始することができます。
①欠格事由に該当していない事
②2年以内に自動車運送事業経営類似行為により処分を受けていない事
③貸渡し自動車の台数により整備管理者の選任が必要な事
1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者
運送事業(旅客・貨物)、レンタカー事業関係の許可取消し処分を受け2年を経過していない者(取消し処分逃れのため処分前にその事業の廃止届をした場合等も同様)
未成年の法定代理人、法人の役員など支配力を持つものが上記に該当するとき
レンタカーの場合も一般の自家用車同様に、使用の本拠の位置から2km以内の場所に保管場所を確保する必要があります。(車庫証明(普通車)、車庫届出(軽)の適用外地域を除く)。レンタカーの場合は事務所(営業所)から2km以内の車庫が必要ですのでしっかり要件を満たしているか確認しましょう。
おカネに関する基準としては、貸渡したレンタカーが事故を起こした場合に備えて、十分な賠償を行い得る自動車保険に加入することを求めるものとなっています。
必要な保険とは・・・
以上の通りです。運営事業者として保証できる加入に入ることが運営者として運営を続けていく為に必要です。
レンタカー事業を開業する場合、許可要件ではないですが許可申請に当たって必要なことがあるので注意が必要です。
①中古車を買い入れてレンタカーとする場合、原則古物商許可が必要
②会社の目的(定款)に、レンタカー事業を行うことを示す目的が必要
レンタカーの許可取得に必要な費用は、国に収める登録免許税90,000円のみです(許可後に納付)。
レンタカー事業者の許可を得るには、「人」「物」「お金」の3つの要件を満たす必要があります。人に関する要件では、2年以内に法定処分を受けていないことが主な条件となります。法人の場合でも、役員が欠格事由に該当する場合は許可が取得できません。また、車両の整備責任者も選任する必要があります。
物に関する要件では、事務所や営業所と車両を保管する車庫を用意する必要があります。車庫は営業所から2キロメートル以内にあり、車庫スペースは複数箇所に分かれても問題ありませんが、全ての車両を駐車できるスペースの確保が必要になります。また、使用できる車種は5種類に制限されます。
お金に関する要件では、資本金や預貯金の審査は行われませんが、貸し出す車両に最低限の金額を補償する自動車保険への加入が義務付けられています。
レンタカー事業を開始するにあたり、法人化のタイミングは重要です。個人で取得した事業許可は法人に引き継ぐことができないため、将来的な拡大を考えている場合は、最初から法人として設立し、事業許可の手続きを進めることが賢明です。法人化には初期費用がかかりますが、将来の事業展開をスムーズに進めるためには不可欠なステップです。
事業許可を取得してから法人としての信用を築くまでには時間がかかります。初期段階で多くの車両を必要とする場合、融資を考えるかもしれませんが、開業当初からの融資は難しい現実があります。最初は少数の車両を自己資金で揃え、事業許可を取得。その後、信用や実績を積み上げ、融資を受ける準備を進めましょう。
車両を増やすことは事業の拡大につながりますが、同時に運用やメンテナンスへのリソースも増大します。事業拡大を計画する際は、リスクマネジメントを重視し、適切な運用体制やメンテナンスプログラムを策定することが不可欠です。計画的な成長を目指し、予期せぬトラブルにも備えましょう。
レンタカービジネスは競争が激しい分野であり、差別化が成功の鍵となります。競合市場を調査し、他社との差別化を図ることで、独自性のあるサービスや特典を提供しましょう。これにより、顧客の獲得やリピート率の向上を図り、競争力を維持・向上させることができます。
実際にレンタカー事業を独自で開業を目指す際は、運輸支局など、官公庁とのやり取りが非常に多くなります。 そのため、行政書士など、官公庁とのやり取りや手続きに習熟している専門家に依頼するとスムーズにいくでしょう。 自分でやるにしても、周囲の協力を得ながら、漏れのないように手続きを進めましょう。
手続きや事業に関して包括的にサポートが必要な方は、フランチャイズでの開業を検討してみましょう。